ご存知ですか? 寝たきりにつながる「骨粗しょう症」

2024.07.15

カテゴリー

ご存知ですか? 寝たきりにつながる「骨粗しょう症」

こんにちは!デイサービスあったかの家、代表の安江です。7月号では、骨粗しょう症の予防について紹介したいと思います。

健康寿命を延ばすためには、「骨粗しょう症」の予防は重要です。骨粗しょう症によって骨がもろくなり、転倒して骨折して入院となり、歩かない期間が長くなり…、本当?と思われるかと思いますが、歩き方を脳が忘れてしまい、実際に骨折が治っても歩けなくなってしまうのです。

高齢者が2~3週間ほどの入院安静臥床で歩けなくなるのは、「下肢筋力の低下」といった局所現象によるものではなく、歩くための広範精緻な脳の制御システムが崩壊したためなのです。いわゆる「廃用症候群」です。(運動学習理論)

骨粗しょう症は加齢や食習慣により骨密度が低下する病気で、特に閉経後の女性が注意すべきです。体内には骨を作る細胞(骨芽細胞)と壊す細胞(破骨細胞)があり、エストロゲンが破骨細胞を抑制していますが、閉経後はエストロゲンが急減し、破骨細胞の活動が増え、骨がもろくなります。

予防には日光浴が有効です。日光を浴びると体内でビタミンDが生成され、これが腸からのカルシウム吸収を促進します。体内でビタミンDを生成するには、紫外線を浴びる必要があります。紫外線にはA波とB波があり、ビタミンDを生成するには紫外線B波が必要で、紫外線A波はビタミンDの生成に関与していません。一般の窓ガラスは紫外線B波はほとんど通さず、屋内でのガラス越しの日光では意味がないことも知っておいてください。

食事も重要な要素です。ビタミンDは魚類、キノコ類、卵に多く含まれますが、野菜にはほとんど含まれていません。また、ビタミンDサプリメントは、日光浴や食事からの摂取が難しい人にとって有益です。骨密度の低下は避けられないため、定期的な骨密度測定が推奨されます。特に65歳以上の女性と70歳以上の男性には骨密度測定が勧められます。早期に骨粗しょう症を発見し、必要に応じて治療を行うことで、骨の健康を維持できます。

その他、骨を強くするためには散歩など体を動かすことも重要になります。屋外で散歩をして紫外線を適度に浴び、歩くことでいつまでも健康でいられるように心掛けましょう。

予防医学ch /医師監修 ウチカラクリニック予防医学ch /医師監修 ウチカラクリニック

※この記事は、あったか地域新聞(2024年7月号)からの抜粋です。

一覧に戻る